星ヶ丘洋裁学校(大阪府枚方市) 文化財登録に向けて


⇒戦後の木造校舎の特質


昨年、2019年(令和元年)の夏、7月に枚方市星丘に一般財団法人星ヶ丘学園・星ヶ丘洋裁学校があることを知りました。
一枚のフリーペーパーにより星ヶ丘洋裁学校が木造の学校建築であることに驚き、いても立ってもおられず
早く現地に行き、一目見たくて足を運びました。
すると「カワイイ」門に出迎えられ「にっこり」。うっそうとした森の中に木造の校舎がひっそりとたたずんでいました。
時の流れを感じ、ここに木造の校舎が建っていることに、ただただ感激です。
中央に切妻破風の門構えがあり、設立時のものと思われる古い文字で「星ヶ丘學園」と書かれた、時代を感じる看板があり
両翼に教室と思われる窓を配した左右対称のシンメトリーなる形態で、これぞ学校のスタイルとなっています。
建物妻側の破風の部分が特徴的な形で造られている。
破風飾りを見て「えっ!?」
見たことのない飾りです。
懸魚を簡略化したものなのか、建設時の年代判定をする際のヒントになるのでは・・・
頭をよぎったが、いずれにしてもこれまで見たことのないものです。
大工の遊び心、当時造られていたものの模倣・・・
とにかく疑問を感じ、調べたくなり、わくわくしています。
建物内に入ると廊下、高い天井、教室の窓が並び、懐かしい学校が蘇ってきます。


昨年の夏から半年がすぎ、今、学校の理事長様らにご理解をいただき、国の登録有形文化財として登録に向け調査をスタートしたところです。
星ヶ丘学園及び星ヶ丘洋裁学校の歴史、沿革、また建物の歴史など、いつ誰によって建てられ、関わった大工集団の存在、その特徴。
南北軸に配した校舎計画、建築の部材、寸法、木造校舎としての成り立ち、その特性など多くのことを調べる必要があります。
関係者の皆様にご協力をいただきながら、少しずつ進めていけたらと思っているところです。
いずれにしましても、洋裁学校としての木造校舎建築の希少価値はここに存在し、現に運営されていることだけでも、文化財登録に値するものと考えています。

 

 
■全景                                    ■学校の門

 
■廊下                                    ■教室